◇ももこVSれいこ <合宿編> 3

ざあああああああ、、、、、、、、、、、
モモコは力なく目を覚ました。どうやらシャワールームにいるらしい、、 レイコが落ちた私を部屋まで運んでくれたのかな、、、 シャワーを浴びながら地べたに座っているモモコは疲れ果てていた。
自分の実力が思った様にだせない。 それは昨夜の不意打ちが今の現状を作り出していると思うと猫娘が憎たらしくてしょうがなかった。 さらにレイコの精神的に屈辱的な攻撃を受け精神肉体ともにボロボロであった。
「ふぅ、、、、今日はもぅ疲れたなぁ、、、、」
モモコは近くに投げられていたタオルをおもむろに取り体を拭いていると、所々に青タンが出来てる事に気がついた。 首の周りも強烈な二人の絞めのせいでアザのような物ができている。 それらは、モモコの<女の子>としての心をも犯し、プロレスが大好きという事さえも否定しかねないものだった。
下着のまま、ベッドの中にはいった。
しばらく、ぼーっと天井の一点を見つめながら、何も考えずにぼーっとしていた。
「、、、、、、、ぐすっ、、、、、」
突然、モモコの目に涙が溢れ、ガタガタと震えだした。
(怖ぃょぉ、、、、、)
もうこれ以上耐える事が出来なかった。
彼女の肉体、精神が<戦い>というものの全てを彼女の全てが否定、拒否していた。 彼女は猫娘が怖かった。またあの暗闇の中で締め上げられる事を想像し、恐怖した。
彼女はレイコが怖かった。リングの上での屈辱攻撃、言葉攻め、拷問技、そしてレイコのあの蔑んだ目。
「、、、、でも!!、、、頑張らなきゃ!」
モモコは声に出して自分に言い聞かせた。
自分の戦いを楽しみにしてくれているファンの人たち、彼らをがっかりさせるような事だけは絶対にしたくない。 彼女はそう思った。彼女の人気はどんな窮地に立たされても必死に立ち上がり、何度でも向かって行くその姿にグっと引か れて行った。
「、、、こんな事じゃ負けない!」
彼女のエネルギー源として観衆が常にあった。 しかし、この山奥には味方は自分一人しかいない。 この中で彼女は一人のプロとしてようやく目覚めたのかもしれない。
 コンコン!
「モモコ起きた??ご飯にしよっか?」
外からレイコの声が聞こえた。
「、、、ぅぅん、、、今日は食べなぃ、、、疲れちゃったからもう寝るね!ごめん!」
彼女はドアを開けずにレイコにそう告げた。
「じゃぁ、夜の稽古はまた無しなの?」
と少し声を荒げてレイコがドアの外で言う。
モモコはこの誘いを断ったら一生レイコと迎え合えない。 そう感じた。
「ぅぅん、二時間後にリングでまたゃろ☆」
元気よく彼女は部屋の中から答えた。 今この涙目をレイコに見られたら、せっかく テンションが戻って来てるのに何を言われてまた落とされるか分からない。 二時間後には笑顔でリングに立ってられるよにしよう。 そして、次こそは絶対に!と思うのだった。
『ニャン ニャン」
突如自分の背後にモモコが大嫌いなあいつが立ってる事が分かった。
「また会ったニャ?」
と猫が手を舐める動きを猫娘はそっくりそのまました。 本当に猫と人間のハーフなんじゃないかと思いたくなるぐらい動作、表情がそっくりであった。
「なにしにきたのょ!」
声をあらげてモモコが威圧した。
「面白いもの用意したニャン☆着いてくるニャ!」
とゆうと、徐にベッドの下に潜り始めた。
「ちょっと、待ちなさいょ!」
怒りのためかモモコは下着姿のまま猫娘の後に続いた。
「ぁれ?これって、、、、階段になってる!!」
何に使うのか隠し階段がモモコのベッドの下にあったのだ。
「でも今朝、レイコが私のベッドの下のバネがどうとか言ってた様な、、、、ま、いっか!」
今の彼女にとって、この階段の存在をレイコが知る知らないはどちらでも良かった。 ただこの先には猫娘がいる。ただそれだけで良かった。 しばらく階段を下ると明りが見えて来た。
「ここ知ってるかニャ?」
とそこには巨大なゲージが設置されていた。 海外のプロレスなどでよく使われるあれだ。
「なんで、、、こんなものが、こんな所に?」
レイコはゲージの前で唖然とした。 いくらPDWAの施設だからといって、こんな物は練習場には必要ない。
「ここは、全国アニマル最強選手権の会場だニャン♪」
唖然とするモモコに子供が自慢するように言う猫娘。
「ぇ?なにそれ、、?」
モモコは半分引いてる感じで聞いている。
「4年に一度、全国のアニマルレスラー達がこの場所に集結するニャン☆虎娘、豹娘、カバ男、象男、、、、、 男女関係なく試合があるニャ!動物の世界は弱肉強食だから、強い物が偉いニャン! 動物にあった武器なら使用しても良いニャン☆ 例えば猫なら爪、蛇なら鞭って感じだニャ〜! 去年の優勝は私だニャ!準優勝は犬男だったけど、今はどうなってるか知らないニャ♪ それじゃ、モモコニャンはこれに着替ぇて!」
と渡された衣装は<うさぎ>だった。
「な、、、バカにしてるの!?私アニマル選手権の選手じゃなぃのに!」
と反抗してみるものの、猫娘に言っても聞かないだろうし、下着のままだと何かと不便だと思いウサギのコスチュームに着替えた。
「準備出来ニャ?そしたら、ゲージに入ってニャン♪」
言われるがままにモモコはゲージに入った。ゲージの中には猫一匹とウサギ一匹。 はたから見ればカナリ可笑しな設定である。
「今回はフェアにするために、武器は使わないであげるニャン☆」
ヒールレスラーレイコの相方的存在ではあるが、変なところで猫娘は時折<フェアプレー>を心がけている。 アニマル選手権などの死闘をくぐり抜けて来た猫娘。 一件、ただのお調子者で何処か抜けてるという印象を与えやすい。 だがこの解釈は実は逆で彼女が相手を油断させるための一つの表現方法でしかない。
「それじゃ、ショータイムの始まりニャ!」
とゆうと、ゲージのドアに鍵がかかり照明が落ちて暗くなった,,,,,,


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