◇ももこVSれいこ <合宿編> 4

「な、、、、なによこれ!」
と声を上げたのはモモコだった。
彼女の衣装が暗闇になったとたんに光だしたのだ。 そう彼女の<うさぎ>衣装は蛍光塗料の原料で作られていて暗闇になると光るのだ。 そのため照明が落ちたゲージの中では何処からでも位置が確認されてしまうのだ。。
「にゃにゃ?モモコにゃんが、こっちからは丸見えだニャ☆」
本来武器を使用しないというのは、当たり前の行為、しかし猫娘が武器を使わないというとモモコはなぜか自分が得した気分、もしくは猫娘がフェアに今 回は戦いたいのかと錯覚を起こしてしまった。 確かに彼女は武器を使っていない、しかしモモコは試合が始まる前から圧倒的に不利な条件下にある。 正直なところ、モモコと猫娘が素のリングで戦った時、最後にリングに立っているのはモモコであろう。 超人的な身体能力があるといっても、猫娘の小柄な体には限界がある。 それに比べモモコはバランスの良い選手。 特にきわだって、飛び抜けた部分もなければ、弱点になるような所もない。 ただ一途であるがためのデメリットとして罠にはまりやすいという一点であろう。 その実力の差を考慮した上で完全勝利を目指す猫娘にとって、この状況は万全と言えよう。
「それじゃぁ、始めるニャ☆」
 ボスっ!
暗闇から猫娘の蹴りがモモコの顔面にヒットした。 当然の事ながらモモコには何が起きたのかを判断するのに、数秒かかってしまう。 この小さな駆け引きが大きな流れへと変わっていくのだ。
「モモコにゃん、なんで合宿に呼ばれたか知ってるにゃ?」
と唐突に話を切り出して来た猫娘。 モモコは地面にはいつくばった状態から少し身を起こし暗闇の中へ返答した。
「知らなぃわょ!レイコが練習したぃってゅうから!」
ガサガサとゲージに上る様なそんな音がして、上の方から声が聞こえて来た。
「これは強化合宿でも何でもなぃにゃ☆モモコにゃんを国際試合に出させなぃようにするための罠だニャン♪」
(やっぱり、、、、、)
確信するのが遅すぎた。 宿舎についた時に感じた妙な感覚、カレーを食べた後に急に襲って来た睡魔、そして猫娘からのリンチ、、、、 全てが一つの線に繋がった。 だが、今となっては、この状況を覆すための<何か>にもなり得ない。 一つ傷として残った物はレイコへの信頼だった。好敵手が認めてくれたと思った瞬間だった。 だが全ては自分を潰すために仕組まれた事、、、、
「ふふっ、、、、そんな落ち込まなくても良いニャン☆すぐ何も考えなぃように楽にしてぁげるにゃ♪」
声が聞こえたかと思うと
 ズンっ!!!
と何かが自分の肩に乗るのが分かった。
(また、空中での太腿を使った締めね、、、、)
「あれ??」
モモコは猫娘の太腿を掴み地面に叩き付けよう。
そう考えていたが、肝心の猫娘の存在が肩から消えていた。
「ここだニャン!!!!」
 ボスっ!!!
とモモコの腹に思いっきり膝が入った。
「ぐぅ、、、」
モモコは胃液が逆流しそうになり、その場に膝をついた。 その後を追う様に猫娘の強烈なミドルキックがモモコへと放たれモモコの意識は半分飛びかけた。
「仕上げに入るニャン☆」
そぅゆぅと、ビリビリビリとモモコに貸していた服を破り始めた。
「これで準備はぃぃニャ♪」
そういった猫娘は下着だけになったモモコの首に太腿で4の字を描き始める。
「ゃっぱり、オーソドックスガ一番効くにゃ☆」
 ぎゅぎゅぎゅうううううう!!!
猫娘の太腿がモモコのか弱い首に食い込む。超人的なその脚力は過去に何人もの強者を落として来た。
いわばお墨付きの脚力。
ぎゅうううううううううう
「さて、本題に入るニャ♪試合辞退してもらぇるにゃ?」
 ぎゅうううううううう!!!
何処から出したのか、小型レコーダーを取り出しモモコの口元に近づける。
「ぃ、、、、、、ぃや、、、」
モモコは観客のため。 そう自分に言い聞かせ辞退の言葉を決して口にしないように努力した。
「ぁれ?聞きまちがぇかにゃぁ?」
 ぎゅううううううううううううううううううううう!!
いつもより激しく絞めているためか、猫娘の太腿が汗で水分を帯び始めた。 モモコの口からは泡が少しだけ吹き出し、猫娘は怠そうに腰を持ち上げる!
むぎゅううううううううう!!!
先ほどの圧迫の数倍がモモコの首を襲った。猫娘の脚がモモコの頭蓋骨をわらんとするほどだ。
「もぅ、諦めちゃった方が良いんじゃなぃかにゃ??辞退しろって言ぇニャ!!!」
 ぎゅうううううううう!!!!!
「ぃ、、、、、、、、、ゃ、、、、」
半分意識がもうなく、この絞め地獄から逃げたいのはモモコも山々だろうが彼女の本能を司る何かが彼女に「辞退する」との単語を口にさせなかった。
「わかったニャ、、、もう楽にしてアゲルニャン♪」
そうゆうと、猫娘は満面の笑みを浮かべ体をひねる様にし自分の持つ最大の力でモモコを締め上げた!!!
 ぎゅううううううううううう!!!
「しくじったニャン。」
そうレイコに告げるとレイコは
「そう。そうでなくっちゃ私のライバルじゃないわ、、、 国際試合前に、あの子と確実に戦う事になるわね、、、」
と何処かレイコらしくない反応だった。
猫娘は失敗した事をひどく責められるんじゃないか。 そう思っていたが以外なレイコの反応に驚いた。 モモコって結構評価が高いのかも。そうゆう様な感じにも猫娘はとれた。 自分がもしモモコの立場だったら、直にでも違う自由な所にいくのにな。 猫娘はモモコの行為や言動が理解出来ない所が多々あった。 そう考えていると
「次ぎ合う時はモモコは数段強くなってると思うわよ!私のパートナーに恥じない様にちゃんと調整しときなさいね!」
レイコがいつも調子の命令口調で猫娘にいうと。合宿宿を去って行った。 「強くなりたいニャン♪」そう自分に言い、猫娘は旅にでる事にした。

試合まで後三ヶ月

ももこVSれいこ(合宿編)/第一章おわり

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